新たな幕開けとなった2022年を振り返る -後編-
2022年を “俯瞰で” 振り返る投稿の三日目、後編である。
これで締めだ。 締めなければならない。
追記やスピンオフがない限り。 (←やめとけ)
昨日の中編ではちょうど八月末までのことを書き記した。
夏の終わりというにはまだ暑さも厳しい頃だが、日の入りが少なからず早くなりつつあり、夏を惜しみ始めるには良い頃合いではある。
実は、今年の夏あたりは個人的に苦悩する日々が続いていて、神経が磨り減るような想いを余儀なくされていた。
そんな中、デ・オッシの活動はちょうどこの年におけるピークを迎えようとしていた。
逆にそれが良かったのかもしれない。
鬱屈している間もないほど多忙であったおかげで、その場を離れれば過度に悩む必要もなかったし、そんな余裕もなかった(笑)。
秋の訪れを待つ九月は11本のステージを全うさせてもらうことになる。
もちろん、月を跨ぐその前後もあるわけだから、ずっとステージに立っているような気持ちだった。
とてもアツい “夏” の思い出でもある。
そんな頃合いの話をさせていただきましょう。
九月はいきなりの奈良4デイズからスタート。
■9月1日(木) 奈良 EVANS CASTLE HALL
東吉野村ドキュメンタリー映像上映会(デ・オッシ ミニライブ)
■9月2日(金) 奈良 イオンモール大和郡山
奈良県みんなで楽しむ大芸術祭 “みん芸”
■9月3日(土) 奈良市 音声館
デ・オッシの夏おさめコンサート「日常の中の非日常を再び」
■9月4日(日) 奈良 EVANS PLAZA
EVANS PLAZA カフェライブ
東吉野村ドキュメンタリー映画では、デ・オッシの楽曲 「深吉野の声」 「帰るべき場所」 が使われています。
イオンモール大和郡山のステージ。
最初の二日は平日の昼間ということで、正直なかなか厳しいだろうな、と思っていたのですが…
実際には、思いがけずそこそこ結構な賑やかさで迎えていただき、両日共に遠方からわざわざ駆けつけてくださった方々もいて、感謝感激。
平日の昼間っていうのがまたちょっと何か、“禁断の世界” のようなワクワク感があるよね…
一度くらい 「平日の昼間にビッグイベントを!」 てな、実にリスキー極まりない企画をしてみたい衝動にすら駆られました。
そして、三日目は2022年のトピックスのひとつ。
2013年に開催した奈良市音声館でのレコーディング・コンサート 『日常の中の非日常』。
今回はレコ―ディングはないけれど、同じホールでまたじっくりとできるだけ良い音色で音楽に浸ってもらいたいと企画したもの。
おなじみ 岡本規 に、EVANS 石田君。
それに、音響担当の 阿南遼介君 & 仲子秀彦君、という素晴らしき奈良チームと過ごしたひと時はこの時期の忘れられない思い出です。
設営・リハの合間に 「菜遊季」 さんでランチ。
ピアノはSteinway&Sons、アコーディオンはGUERRINIとEXCELSIOR、ギターは1927年Domingo Estesoと1978年中出阪蔵、三味線は初お披露目の生三味線。
それぞれの音色の違いも楽しんでもらいたいという目論見も。
途中、一部と二部の間に、凄まじい雷雨の影響で会場が一時停電するなどというハプニングもありました。
この季節ならではのトラブルではありましたが、無事に再開・続行できて本当に良かった…
結果的に皆さんとのこの季節の思い出のひとつとなっていたなら幸いです。
そして、翌日は EVANS PLAZA カフェにて、こちらもたっぷり2ステージのワンマン。
石田君、連日ありがとう。
その後も、EVANS PLAZA にて昼にカフェライブ、夜にホールでのBATI-HOLICワンマンにて幕間ライブ、なんて濃い一日もあり。
数日後に再び EVANS PLAZA でたっぷり夜カフェライブ、なんて日々を経て…
奈良公園 登大路園地にての 第7回 春日野音楽祭。
奈良クラフトビール祭りが同時開催ってことで、皆さんと祭りを満喫しまくった楽しい一日でした。
こういうイベントが開催できるようになったことで、一気に町の、社会の意識も変わっていったような気がします。
今から振り返れば、ほんの二ヶ月前に再び抱かされていた不安感や失望感を吹き飛ばすような、そんな日だったように思います。
なら国際映画祭では久々に スティーヴ エトウ さんと再会。
前年はあれほどご一緒させてもらっていたのに、2022年はこれが初共演。
それはつまり、しっかり動けるような状況になってきたという喜ばしいことなのだけれど。
この日は、ほぼ予定調和無しの即興セッション。
一寸先は何が起こるか、誰がどう何を仕掛けるかわからない、そんなスリリングな緊張感を皆さんと一緒に楽しませてもらいました。
↓ YouTubeに一部UPしてますので是非。
そういえば、この日も平日の昼間でしたね。
駆けつけてくださった皆さん、本当にありがとうございました。
その後は、演歌歌手 川井聖子さんの大安寺での奉納コンサートにシークレットゲストとして共演させてもらったりしつつ…
この月11本目となるライブは、EVANS PLAZA カフェにて。
岡山から、MO:GLAオーナー・サンジさん&店長ヨシキさんのOKAYAMA通天閣を久々に奈良に招いてのツーマン。
これにて怒涛の九月が終了するわけだけど、その11本がツアー等を含めるわけではなく “すべて奈良” というのが、ちょっとこれまでなかったことなのよね。
ある意味、不思議な感覚で、また価値あるひと月となりました。
それもこれも、奈良まで足を運んでくれる方々がいるからこそ。
改めて、心から感謝。
そして、10月に入るとこれまた思い出深さがMAXに近い数日が…
久々にホテル花小路さんのエントランスライブを挟みつつ、やはりこれでしょう。
奈良県宇陀郡の 曽爾村 (そにむら)
すすきの名所であるこのその高原の景色を歌い続けて早十年。
ようやくこの地に皆さんをお迎えして、その景色を味わってもらった上で、この歌を聞いてもらうことができました。
が。
思いがけないハプニングが多発&多発…
そんな大変なことが次々と起こる!?
という信じられない出来事が続く中、開演時間を遅らせて何とか無事に開催。
奈良のキュートなクラウン、ピエコロちゃんが開演までの長い時間を一手に引き受けてくれました。
本当に素晴らしきエンターテイナー。
そして、様々なトラブルに遭ったにもかかわらず、笑顔で、むしろそれすら楽しんでいるような様子で会場に到着した皆さんの姿を見た時は心底ホッとしたし、本当に素敵な方々に自分たちは支えてもらってるんだな、と改めて感じました。
様々な大変なこともあった一日でしたが、それも含めて最終的に…
皆さんにとって良き思い出となっていることを願うばかりです。
そして、また幾つかのライブを経て…
そう、続いては、こちらも今年のトピックス。
昨年に続いて二度目の、EVANS CASTLE HALL での デ・オッシ ワンマン。
『奈良にくぎづけ』 Epic day 2022
今年も 切り絵師 くろあ ちゃんに素敵な作品を制作していただきました。
EVANSスタッフの皆さんにもご尽力いただき、おもしろい演出をいろいろと…
今年はゲスト無し、デ・オッシ二人のみで。
その分、ステージの上に三つのステージを作ったりなんかして、もう皆さんに存分に楽しんでもらおうという計画。
ひとつは、ランプの灯りに包まれる小部屋ステージ。
マイク一本だけで歌い奏でるというオールドスタイルのステージ。
更に、このメインステージを含めた三つの構成、と盛りだくさんで味わっていただきました。
そして、この日は6曲の新曲をお披露目。
自分たちの中でもまさに Epic day となりました。
その後は、ウン年ぶりの写真撮影なんかも敢行しつつ…
この素敵な写真を撮ってくれたのは、写真家 etsuさん。
EVANS 石田君、アテンド&荷物持ち、ありがとう!
を経てから、奈良公園 登大路園地へ再び。
食の祭典 “奈良シェフェスタ” にて。
たくさんの方々で賑わい、祭りを楽しまれている様子は、ここ数年まったく見られなかった光景だったので… 何だか嬉しかったな。
そして、11月に入り、今年五度目となる東へのツアーへ。
名古屋 ナイトカフェ弾き語り での川沿クタ子ちゃんとのツーマンを経て…
今年二度目の東京 代々木 Barabaraでは、元たまの石川浩司さんと奇跡のセッションを!
しかもこの日、11月11日は “たま結成の日” でもあり、あの伝説の “イカ天” 初出場の日!
そんな記念すべき日にご一緒させてもらえるなんて…
もう、最高でした。
コチラの実際の模様も、先日の 『デ・オッシのBAR TV』 で紹介させてもらってるので是非ご覧ください。
最高なんで。
その翌日は、同じく東京は南千住の泪橋ホールへ。
この町は我々にとって非常に思い入れのある町。
前身バンド、まほろば楽座時代の20年ほど前は今以上に東京滞在が長かったのですが、まさにこの町が定住の地でした。
町自体の治安は今より少しスリリングな時代でしたが、そんなことも含めて実に思い出深い、心から愛する町。
泪橋ホールからすぐ近くのこの安宿に一泊1,400円で長期滞在していたのですが、当時木造二階建て+増設だった宿も今は前面改修され、綺麗で立派なマンション風な建物に様変わりしていました。
なんだか、夢か幻を見ていたようだな、なんて思ったりもするんだけど、町全体の雰囲気は変わっていない。
昔と違うのは、とても安心安全なムードになっているところ。
そんな町でご一緒させてもらうのは
アコーディオン笠原麻矢さんとコントラバス宮坂洋生氏による素晴らしきデュオ、thequro。
そして、これまた奇跡的な経緯で開催が決まったこのツーマン。
元より、いつかご一緒できたらなんて話はなかったわけではないけれど、実はたまたまSNSで皆さんが盛り上がってくれていたことに端を発し、その勢いに押されて開催に繋がったことは間違いないです。
皆さんに感謝。
そして、この町の、この “泪橋ホール” がこれまた最高なんです。
なんだろ、こんな人情味のあるお店、ライブ会場があるだろうか。
暮れなずんでいく町の景色と共に、とても良い時間を過ごさせてもらうことができました。
次回は 4/15(土)!
もう残席わずかなので、ご予約はどうかお早めに!
そして、翌日は愛する静岡へ。
愛するUHUにて、愛する盟友・丸山研二郎&原口朋丈と再び。
いや、もうこの夜も最高だったな…
実は、昼から夜中まで最高でした。
この日のライブの模様も 『デ・オッシのBAR TV』 で垣間見てもらえるので是非。
その後、この11月は今年三度目の岡山へも。
MO:GLAオーナー・サンジさんの73歳を祝うパーティライヴに、同郷の本夛マキちゃんと。
道中も岡山でもずっと楽しかったな。
今年は久々にMO:GLAファミリーともたっぷり素敵な時間を過ごさせてもらいました。
本当にかけがえのない存在。ありがたいです。
サンちゃん、これからも元気でびっくりするくらい長生きしてよ~!!
そして、いよいよ12月。
まずは、今年三度目の川沿クタ子ちゃんとのツーマン。
中でも前月の名古屋とこの月の二ヶ月連続で名古屋&奈良で企画したのツーマン 『歓喜の宮殿』 の二回目 “奈良編”。
寓話の世界に紛れ込んだかのようなクタ子ちゃんのステージを存分に味わってもらうにはここが良いのではないか、と会場は Vanda melilie に。
その思い通り、自分たち自身とても世界に浸れた良い時間となりました。
今年はここ、Vanda melilie にも本当にお世話になりました。
その後は、今年六度目の東へのツアーを予定していたのですが…
自分が例の流行り病に罹ってしまい… 無念のキャンセル…
各所に多大なるご迷惑をおかけしてしまいました。
それも含めて、この12月は本当に慌ただしく、なかなか心穏やかではいさせてもらえない月に。
自分が病床に付している間に父親が救急搬送。
母親も倒れ、自分自身も熱にうなされる中、一時は別れを覚悟するようなときもありました。
現在は何とか一命をとりとめ入院中ですが、それに伴い以降も何かと慌ただしい日々。
そんな中、次々と飛び込む訃報。
あまりに様々なことがありすぎて、それぞれを現実と認識するまでに時間を要するほどでした。
家族とのことは、(決して疎遠などではないけれど) それほど密な関係で生きてきたわけではないので、実にフラットに平然と対応できるところがむしろ救いだったかもしれません。
(全員、哲学家思考なんで 笑)
でもやはり…
ミュージシャンとしては月並みなフレーズになってしまうかもしれませんが
音楽があること、次のステージが待っていること ━━━
それで救われたことは決して少なくなかったな、と改めて思います。
そんな無念のツアーキャンセルを経て、復帰した後のライブは、久々の滋賀でのライブ。
12年ぶりの滋賀、12年ぶりの八日市 太子ホール。
実に感慨深いライブでした。
この日はよしこストンペアのレコ発も兼ねていましたが、今年はご一緒させてもらうのも三度目。
素晴らしい楽曲を持つユニットですね、ホント。
そして、これまた何という運命の悪戯か、自分が復活した直後のこのイベントで、今度は出演予定だったザンネンズが流行り病により出演キャンセル。
まだまだ安心できない状況ではありますが…
でも、どこかこれまでのように世の中が全面的にストップさせられるようなことはなく、それぞれちゃんと向き合い対策しながらも、当たり前に日常を全うしていこうというような空気感になっているように思います。
自分自身が実際にそういう状況になったことでより感じられたような気もします。
さて、そしていよいよ、今年最後のフィジカルなライブへ。
年末恒例のクリスマスワンマン 『ディンドン・デ・オッシ』 at 大阪 雲州堂。
今年はクリスマスイヴに開催。
今年 2023年は、12/23(土)&24(日) の2デイズが既に決定しています!
実はこのあたりまで、まだ喉の調子は完全ではなく、思ったようにうまく声を操れなかったのですが…
それでも、皆さんが発してくれる温かい空気感と眼差しのおかげで、そんなことを凌駕する喜びと幸福感の中、ステージを全うさせてもらうことができました。
いつもいつも本当にありがたいな… と思える一年の終わりです。
以上、2022年の公式なライブは全65本となりました。
そして、年の暮れの暮れに、完全復活の上での月例配信のライブと…
締めの BAR TV のはずが、ここでまさかの…
最後の最後で、今度はとるこさんが倒れるという結末に。
番組は自分一人で無事完遂させてもらいました。
二時間の予定が四時間になってしまいましたが (それも想定済?)
ホント、長時間たくさんの方にお付き合いをいただき感謝感激です。
とるこさんは病床に付したまま、寝正月となってしまったようですが、少しずつ回復してきているようです。
頑張れ!
でも、なんで交代制…
…というわけで、ようやく昨年 2022年の終わりまでを振り返ることができました。
まずは、ここまでお付き合いくださった皆さんに感謝。
ホント、感謝。
しかし、こうして思い返しても、夏頃からは本当にアッという間でした。
繰り返すことになりますが、個人的にもいろいろなことがある中、デ・オッシとしての活動が充実していて多忙であったことが、自分自身を前向きにさせ続けてくれていたようにも思います。
いつ頃だったか、それも夏頃だったか、いや… あれは秋口? いや、もっと前だったか…
「今年はスケジュールさえ合うなら基本的に断らずにすべてやろう」 的なことを決めた時がありました。
もちろん、内容は吟味しますが、できるだけやってみようと決めていました。
自分たちが企画するもの以外の話です。
そんな中で、感謝すべきこと、改めてありがたさを感じる日々がたくさんありました。
やって良かったと思えることは枚挙にいとまがありません。
それと同時に、特にここしばらく、強く想い、改めて心に決めることができたことがあります。
しかも、それは奇しくもタイミングを同じくして、デ・オッシ二人が共感できたことです。
本当に自分がやりたいこと、信じることをやりたい。
やりたくないこと、自分たちがやるべきことでないなら、やる必要はない。
公式・非公式にかかわらず、ステージに立っていれば求められるものも様々あります。
それに応えることも大切なことでもあり、また糧となり、喜びとなることもあります。
しかし、自分たちがやりたいこと = 求められていること でないのなら、無理にそこを共有する必要もないこと。
音楽で生きていくならば、それは仕事ということです。
十代や二十代の若者でもあるまいし、求められているものに応えることで意味を成すものがあることも十二分に承知の上です。
そんな中で、人生の中心で一番大切な デ・オッシ というものの活動においては、最も純粋で正直でありたい。
そこを誤魔化したり、欺いたりしては、決して良いものを生み出すことなどできないし、続けていくこともできないでしょう。
そんな想いを確固たるものとできたのが、昨年の活動の成果であり、何より大きな収穫です。
これからは尚一層、自分たちが信じるペースで、信じることを、本当にやりたいことを全うしていく ━━━
その努力をしていきます。
信じることを、ある意味 “わがまま” に ━━━
なんて、そう簡単に成せることではないと思います。
しかし、それが自分たち自身にとっても
そしてまた、ずっと応援してくれている皆さんに対しても、最も誠意をもってお応えできる道だと、今こうして、改めて思うことができました。
2023年。
まだまだこれから模索が始まる状態ではありますが、何かひとつの答えを出せるのではないかというワクワク感の中におります。
本年もどうか活動を、動向を楽しみにしていただけると嬉しいです。
ひとときの興奮を、かけがえのない幸福な時間を共有していけるように、ひたすらに邁進して参ります。
感謝の気持ちと愛を込めて。
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2023年春のトピックス
デ・オッシ 昼夜二公演ワンマン
『ほぼ全曲やりますコンサート』




● ご予約受付開始は 1/6(金) 21:00 ●
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