森の奥から追いかけてきた白装束のご老人
小学生の頃は “学校が終われば友人たちと野球” という、そんなドラえもんの世界のようなベタな流れあんの? ってのを見事に体現してました。
当時は整備されてない空き地などがあちらこちらにあり、きっと誰かの所有地だったんだろうと思うけれど特に咎められることなどはなく、子供に対して大らかな時代だったように思います。
しかもそれは住宅の並びの裏手だったりして、だいたいは誰か友人宅の前や裏でした。
昭和の漫画のように、家屋に当てたりガラスを割るようなことはなかったですが、敷地内にボールが入ることは日常的なもので
「すいませーん、ボールとらせてくださーい」 なんて取りに入ったりすることもしばしば。
昔の田舎の風景、といえばそうなのかもしれないけど、今から考えたらかなり非常識なことをみんなが平気でしていた時代でもありました。
例えば、自分も自宅にいるときになんか部屋の裏手側の窓から声がすると思って見ると、うちと隣を隔てる塀を自分と同じくらいの子供達が4, 5人、探検隊のように渡っていってるんです。
ウチの家の壁に手をつきながら(笑)
今そんなことをしていたらえらいことになりそうですが、当時は子供たちの日常の風景だったように思います。
野球の話に戻りますが、早秋の収穫後から春すぎまでにかけては田んぼも球場のひとつとなっていました。
思えば田んぼも本当に貴重な遊び場のひとつで、それで怒られたり注意された記憶もありません。
そこで覚えているのが、ちょっと我が家より遠いところに住む友人の家の周りで遊んでいた時のこと。
野球も終わり、その後に鬼ごっこ的な、たしかケイドロ(警察&泥棒) をやっていたとき…
(僕らはケイドロと言ってましたが、ドロケイ、タンテイなんて呼称もありますね。)
つーか、小学生の体力、尋常じゃねーなッ!
記憶にある景色は住宅が何軒か並んでいて、その周りには田んぼが何反も広がり、その向こうに何かわからないけど森がある ━━
当時はそんなところばかりでした。
そんな中で、逃げる側の友人二人くらいが田んぼの向こうの森の中へ入り込んだんだと思います。
なので、おそらく僕は捕まえる側、つまり警察だったんでしょうね。
そして、僕が田んぼを通って森に近づいたときのことです。
突然友人たちが叫びながら森から飛び出してきたので、なんだなんだと暗い森の中を見ると、奥から白い装束を着たご老人が 「コラーッ!」 と怒りながらこちらに向かってきていたのです。
まだ幼かった僕たちは 「幽霊がでたーッ!」 と思って一目散に逃げ帰ったのでした。
その後もその思い出に関して深く振り返ることはなかったので、何となく幽霊ではなかったんだろうけど、森から白い装束のご老人が現れたらそりゃ怖いよね、くらいのイメージだけ記憶にあったのですが…
よく考えたら、きっとその森は神社の境内で、怒ってたのは神職の方だったんでしょうね。
と、今ようやく初めて気付きました。
特に深く考えたことがなかっただけなんですが(笑)
昔の野球漫画ではよく神社の階段を登り降りしたり、境内で素振りをしたり、トレーニングをする描写がありますが、たしかに町中に数多ある神社などは当時は遊び場のひとつだったように思います。
今となってはちょっと考えられないですが、ただ地域の人にとっては身近な共有施設のような感覚だったかもしれません。
それくらい神社仏閣、古墳などの史跡が周りにありすきて、身近すぎる環境だったので、逆に当時はそれらにあえて興味を待つこともなかったのですが
それらの記憶の中の様々な景色は、後々の関心事と次第にリンクしていき…
現在の 「デ・オッシ喜多寧の調査放談」 に繋がるのです。
ただ、もうその小学生の頃から神社仏閣巡りは大好きで、アルバムも多数残っています。
それは基本的には、境内に立派な堂宇が並ぶような、ある程度世に名高い寺社ばかりでした。
日常に根差したものではなく、古の時代を妄想させてくれるような空間ということです。
そこから奈良をより愛する年頃を経てから、もっともっと身近だった前述のような場所が…
実は由緒を調べたらすごいものだった、とかいうことに気づいていくわけです。
まさかこれがこの人物に所縁があったなんて…
え! いつも遊んでたあそこ、古墳時代の方墳だったの!?
あのただの溜め池が!? 推古天皇の!?
あのいつも誰もいない小さな神社が延喜式神名帳では大社と明記されてるの!?
なんて、あらゆるものが次々と自分の中でクローズアップされ、様々なものとリンクしていって…
興奮が興奮を呼び、自分の中だけではもう持て余してしまって、それを誰かにも伝えたくてやってるのが 「調査放談」 なのかもしれません。
もちろんそもそもは、かつてここにも書いたことがあると思いますが
「奈良でデ・オッシを観たい」 「せっかくならあの曲の景色のところにも行きたい」 と奈良でのライブに来てくれる方に観光案内するつもりでこのコラムに書き始めたのがきっかけです。
その時から変わらないのは、有名な観光名所はもちろん見応えあるし行ってほしいけど、そうじゃない観光エリアでもない場所にも興味深いものが溢れかえってるんだよ、ということをお伝えしたいという想いです。
現在の 「日常の暮らし」 の中にとんでもない歴史深いものが溢れている
それが実はとても奇妙で異様なことのように感じることもしばしば。
それは何も奈良だけの特別なものではなくて、全国各地どこにでもあることではあるのですが
比較的、奈良という地はひとつのものから様々なものに繋がりやすい、そこから過去にも先にもどんどん繋がっていく歴史的な連続性を見い出しやすい地なのだと思います。
そんな幾年かを経て、明日からまたお送りする
デ・オッシ喜多寧の『調査放談』 #14
奈良 大神神社 編
“日本最古の神社” とされ、その信仰の対象としての歴史は縄文時代に遡るといわれる 「大神神社」。
そこに潜む深い歴史と、大きな “謎” に迫ります!
さらには、「日本最古の道」 を通り、「日本最古の前方後円墳」 へ。
大神神社を囲む、2000年以上の歴史をじっくり紐解いていきたいと思います。
今回は古事記や日本書紀の内容にまで迫るし、さらにディープにはなってるんですが、基本は散策番組 なのです。
いいなあ… この風情、なんて歩いてたら… 出会っちゃった、みたいなのが一番の喜びです。
そんな楽しさを皆さんとできるだけリアルに共有できたらいいな! という思いからいつも YouTubeプレミア公開 で発信させてもらっています。
明日からの 月・火・水
是非とも毎晩21時にお会いできると嬉しいです。
よかったらチャットにもぜひ参加してくださいね。
●第一夜 --- 9月9日(月) 21:00~
≫ https://youtu.be/P5xANDg5LUU ≪
●第二夜 --- 9月10日(火) 21:00~
≫ https://youtu.be/IugOxzdHmzo ≪
●第三夜 --- 9月11日(水) 21:00~
≫ https://youtu.be/3lOYXFr84fw ≪
それでは明日からの三日間、毎夜21時からYouTubeプレミア公開にてお会いできることを願っております!
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良かったら、このブログもシェアして広めてもらえると嬉しいです。
●チャンネル登録もどうぞよろしくお願いします●
≫ https://www.youtube.com/user/nolenniudeossimovie/ ≪
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そんなわけで
たしか小学生の時にやってた史跡めぐりの写真集、どこかにしまってたよなぁ… と、探して開いたら
ハラリと間からノートが落ちてきたんです。
何だろう、とめくってみたら…
小学生の頃の俺…
思ってた以上にやべえ奴だった…
もう何十年も前からやってたわ… 調査放談。
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そんな奈良で皆さんとお会いできることを願って。
■9月14日(土) 中谷酒造 柳町醸造所
(奈良県大和郡山市)
デ・オッシ 生音ワンマンライブ Vol.4
開場 14:30 開演15:00
終演 17:00予定
(醸造所営業時間は13:30〜19:00)
【投げ銭制】
●ご予約は ≫ コチラにて ≪
諸々、詳細は https://linktr.ee/deossi にて。
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