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2019年5月 6日 (月)

年齢と音楽遍歴とご縁と

静岡の清水藤枝という、かつて東海道の由緒ある宿があった町での二日間のライブを終えて奈良へ帰ってきた。
 
もはや奈良から静岡くらいでは長距離などとは思わなくなって久しいが、それでもこのGWの最中の移動はそれなりに覚悟を要する。
 
辿り着いて搬入してセッティングし、リハーサル、そしてライブをして、片付けて搬出する。
翌日は朝から搬入し、ライブ後はそのまま運転をして直帰。
 
好きでやっていることだし、それが生業なので何も苦痛を感じることはないのだが、いかんせん体は幾らか不平を言う年頃にはなってきたようだ。
 
 
しかし、最近よく思うのだが…
 
 
若い頃は、その若さというものに執着があったんだろうな。
焦り、というものもきっと感じていた。
 
 
それが年々無くなっていっているのだ。
 
 
歳を重ねることに悪い気がしなくなっている。
むしろ何か楽しみすら感じるようになっているような気さえする。
 
 
もちろん、寂しさのようなものを感じることを否定はできないが
それでも、ひたすらに若い頃よりも今の方が心穏やかで充足感があるように思う。
 
 
何か若い頃はその “若さ” という刹那の特権に甘え、しがみ付こうとしていたようにも思う。
自分にとって、“若さ” しか売り物はないような。
それは実際の年齢によるものよりも、自分自身の精神年齢が及ぼす影響が大きかったのかもしれないが。
 
 
今から振り返ってみるとどうもそれを否めないところはある。
 
 
若さを売りにできなくなると、もう自分自身の為せるもの、醸し出せるものでしか勝負できなくなる。
その過渡期には、年齢を感じることは何か “あきらめ” を覚悟しだすことなのかも、と錯覚していたようにも思うが、実際にはようやく裸一貫の自分で人生を歩んでいかなくならざるを得なくなる、ということなのかもしれない。
 
あくまで、思春期が長かった幼稚な自分個人の感覚でしかないのだが。
 
 
それはともかく、年齢を重ねる毎に、それ相応のケアというものも必要になってくる。
 
かつては5時間も6時間も寝るなんて、人生を損しているようで嫌だった。
かといって何か常に生産的なことをできていたかというと、むしろただ無駄に時間を貪り続けていただけで、単純に起きている時間を人生の価値と勘違いしていたような節もある。
それが今となっては日々の生活におけるパフォーマンスのために、生産的な毎日を送れるように、自然と睡眠時間を確保しようと心掛けるようになった。
体がそれを求めるようになったのだ。
 
 
現実的な話になるが、年齢と共にそれ相応の金銭も実際に必要になってくる。
音楽活動を続けていく上でも同じだ。
 
 
若い頃なんて本当に金も時間もなくても何とでもやっていけた。
 
まほろば楽座の頃でも、一日仕事をしてその夜に集合して、東京まで運転し、SAや車内で仮眠をして、ライブをして、そのまま直帰して、仮眠して、朝からまた一日仕事をする…
なんてことも毎月のことだった。
 
それで実際に良いパフォーマンスができたかというと、今から思えば甚だ疑問なところはあるが、それでも気持ち的には可能だったし、実際に体は動いたし、何よりそうするしかなかった。
今はたとえわずかな時間でも睡眠と休息を確保できる場所は必要だし、できる限り無理のない行程をとりたいと思っている。
とかいいながら、スケジュールの都合上、東京からライブ後に直帰とかもまだまだ定番なんだけど…
 
 
そこを改善していけるくらいまでは頑張りたいよね。
 
 
頑張るしかないかぁ…(笑)。
 
 
 
さて、前置きがすこぶる長くなってしまったが…
 
本題に入ろうと思う。
 
 
とても楽しみにしていた、静岡の稀有な二ヶ所でのイベント。
それを記して残しておきたいと思う。
 
 
初日は大好きな町、清水へ。
 
 
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丸子亭
丸子(鞠子)の宿に400年以上伝わる「麦とろ」「とろろ汁」を味わえるお店。
 
ややこしいのだが、丸子(鞠子)は東海道五十三次の20番目の宿場で、この清水より少し西の先。
実際にここ清水のこのお店の界隈は江尻という18番目の宿場町である。
 
その二階座敷で、丸山研二郎との 『おとぎばなしの夜』
 
 
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開場前に一足先に麦とろ丼をいただく。
 
 
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美味い。
 
滋養強壮に効く栄養価の高い自然薯の麦とろ。
昔の人々もこれを食べて東海道をひたすら歩いたのだろう。
この日はこの麦とろ丼セット付のライブ。
 
 
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ライブはまずお店のオーナーである坂越達明さん・滝浪俚花さんの民謡デュオ 「はごろも」 さんによる津軽三味線のミニライブから。
 
 
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そして、丸山研二郎
 
普段のライブ会場とは明らかに異なる雰囲気。
何か親戚の旧家に集まって音楽会を開催しているようなアットホームさ…
それでいて、「おとぎばなしの夜」ならではの幻想的な空気が流れている。
 
 
この日は楽器の生音を基調に、音響的にもそこへ+α、バランスをとるだけ。
この二組ならではの繊細さやアレンジが際立つものになったように思う。
 
丸山研二郎をこよなく愛する自分としては、あれも聴きたい、これも聴きたいとなってしまうのだが、この日の選曲もこの場所によく合っていて素晴らしかったと思う。
それでも、なんであの曲とあの曲をやらないんだ! というのはファン心理の常か(笑)。
 
 
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そして、我々デ・オッシのステージへ。
 
実際に自分たちも、時間の制約がある以上、曲はその都度厳選せねばならないんだけど…
この日、この空気に最も相応しいであろうという期待もこめて選曲した新旧交えての全8曲+α。
楽しんでいただけたでしょうか。
 
 
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最後は三人でのセッションタイム。
自分たち的にこの日のトピックスは新たに参加を試みた、丸山研二郎の 『春の調べ』
我々との両A面LPレコード 『おとぎばなしの夜』 にも収録されている曲だ。
 
今回使用したのは三味線とピアノなのだが、より日本的になりつつも、インド古典やブリティッシュトラッドの様相も呈しているような気がしている。
短い曲ながら、丸山研二郎自身の豊富で稀有な音楽遍歴と、我々デ・オッシ二人のそれらが自然に融合して豊かでおもしろいものになっているように思うんだよなぁ。
 
“たった一曲” の中に。
 
これはまた是非やりたいし、また聴いてほしい。
音楽家として、イチ音楽ファンとして。
 
 
GWの大変な最中に時間を割いて各地からお集まりいただいた皆さん、
丸子亭の皆さん、主催のT2AUDIO坪井さん
ありがとうございました。
 
 
そんな音楽的な充足感を味わった翌日は朝から藤枝へ。
 
 
江尻から、府中、丸子、岡部、とかつての宿場町を辿りながらの道中。
ここを歩いてたんだよなぁ… なんて想いを馳せながら。
 
 
辿り着いた藤枝の町は、空が広くてとても良い空気が漂っている。
あぁ… ここは好きな町だ、と感覚的に思えるものがあった。
何か歴史的なものの息遣いがちゃんと残されている感じがするからだろうか。
 
 
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そんな素敵な宿場町にある蓮生寺
 
 
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決して境内は広いわけではないが、立派で綺麗なお堂があり、何より良い空気が流れている。
木漏れ日の美しさが感動的なほど気持ちの良い快晴に恵まれ、その魅力を更に引き立てているような日だった。
 
 
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本堂の裏手には天然記念物のイブキの古木。
 
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そして、この日のステージがコチラ。
 
 
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何とも贅沢な…
 
 
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ここに楽器などを置いてください、と開けていただいた隣のスペースにも…
 
 
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由緒ありすぎるものが鎮座ましましてございまして… 何だか恐縮してしまう始末。
 
贅沢な和室も楽屋として使わせていただき、様々なお心遣いに感謝しきりで、迎えた本番。
 
 
本堂にはお集まりいただいた、たくさんの方々が。
各地からデ・オッシのお寺ライブを観ようと駆けつけて下さった方々も。
 
イベントは代表の藪崎さんのMCから。
そして、一番手は地元静岡の赤花さん。
良い雰囲気で盛り上がってましたね。
 
続いて、デ・オッシ。
 
 
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仏様を背面にいただくステージでしたが、さすがにお尻は向けられないので、できる限りハの字にて。
 
 
不思議なもので、奈良のあちこちでで日頃から手を合わしている阿弥陀如来さんや地蔵菩薩さんや聖徳太子さんにこうして各地でお会いできると、何か本当にそういった方々に導かれてきているような気がしてならない。
特に信仰心に篤いわけでもないし、決して敬虔な人間でもないのだが、日常的に仏さんや神さんの近くにいるだけで何か良い気持ちにさせてもらえるのはありがたいな、といつも思っている。
 
静岡でのご縁でこの蓮生寺さんでライブをさせていただけることになったのだが、その主催をされているのは奇しくも奈良出身の藪崎さん。
不思議なご縁がまた繋がった感じである。
 
 
ともかく、素敵な空気が漂う中で心地良く歌い演奏させていただくことができました。
とても素晴らしい時間を皆さんと共にさせてもらえたことが何より嬉しいこと。
 
終演後も身に余るほどの感想を多数いただき、CDもたくさん旅立っていきました、
感謝。
 
何かとお気遣いをいただいた副住職には、この蓮生寺の歴史に関することをいろいろ教えていただいたり、見せていただいたり… 個人的な興味としてもとてもありがたい一日。
ただただ感謝。
 
 
お集まりいただいた皆さん、
運営からMCまでイベント全般を取り仕切っていただいた藪崎さん、
一日中ご協力いただいた関係者の皆さん、
こんな素敵なご縁を繋げて下さった史子さん、
本当にありがとうございました。
 
 
思い出深い町、景色が増えました。
 
また再訪できる日を心から願っています。
 
 
 
さて。
 
もうしばらく余韻に浸りたいくらいの二日間でしたが…
 
 
来週からは新たな旅が待っています。
 
 
それも、濃厚&濃厚な。
 
 
また大きく異なる世界へ
ここではない、どこか別の世界へ
ちょっと不思議で妖しくて、それでいて優しく楽しい世界。
 
そんなどこかの世界で皆さんと待ち合わせしたいと思います。
 
 
本当に素晴らしい時間を皆さんと共にしたいと思っています。
 
 
東京 ・ 名古屋 ・ 大阪 ・ 広島
 
 
是非とも味わいに来てくださいね。
 
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Dokoseka2

  小林未郁 × デ・オッシ
『どこかの世界で待ち合わせ』 二巡目
  
■5月16日(木) 東京 LOFT HEAVEN

 開場19:00 開演19:30
 前売3000円 当日3500円(Drink別)
   
ご予約
 
■5月17日(金) 名古屋 BLUEFROG

 開場19:00 開演19:30
 前売3000円 当日3500円(Drink別)
   ご予約

 
■5月18日(土) 大阪 雲州堂

 開場18:00 開演19:00
 前売3000円 当日3500円(Drink別)
   ご予約

 
■5月19日(日) 広島 ヲルガン座

 開場18:00 開演19:00
 前売3000円 当日3500円(Drink別)

    ご予約

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■6月13日(木) 名古屋 Bar Strega

 『定点観測』
 開場19:00 開演20:00
 2500円(TableCharge込/Drink別)
 出演:デ・オッシ,神一重

ご予約はコチラにて


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Photo_1

■6月15日(土) 岡山 MO:GLA
 「オカシナまやかしノ夜」
 ツーマンSpecial vol.3
 開場18:00 開演19:00
 前売2500円 当日3000円 (1Drink別)
 出演:デ・オッシ,PESMI&PICCI


ご予約はコチラにて

 
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Blunote20196

風情ある奈良町にある本当に素晴らしい音空間、ブルーノート
他にはない、地元奈良ならではの特別なワンマン。

■6月29日(土) 奈良 ブルーノートならまち
 デ・オッシ ワンマン

 開場15:00 開演16:00
 予約2000円(Drink等別)

 

 ご予約はコチラにて

※席数に限りがあります。
是非どうぞ早めのご予約をお願いします。

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