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2019年6月 5日 (水)

奈良町ってそもそもどんな町?

先日、フライヤーを置かせてもらいに奈良町界隈を練り歩いてきた。
 
まぁ… いつも練り歩いているし、ここでも何度も登場しているので、毎度長文にお付き合いいただいている皆さんにはもうお馴染みかとは思うのだが…
 
 
 そもそも、奈良町って何?
 
 どこからどこまで?

 
 
と改めて考えてみると、実は正確にはわかってないまま過ごしてきたところはあるんだよな。
もちろん、だいたいこのあたりのこういう景観の地域、とか
だいたいこういう歴史があって奈良町として存在している、みたいな
地元の人間ならではの、“なんとなく” の肌感覚でしかない点も実は多い。
 
正直、自分の感覚としても、「このあたりって昔は奈良町とか呼んでなかったと思うけどなぁ…」 なんて曖昧なところもあるので…
 
良い機会だし、改めて調べて、明確に把握しておきたいと思う。
 
 
奈良町とは “いわゆる観光地・奈良の市街地のやや南側にあり、江戸時代以降の町屋が数多く建ち並ぶ旧市街地” といった感覚だろうか。
 
奈良市は比較的小さな都市だったので太平洋戦争時の空襲予定リストの下位にあり、おかげで戦災をまぬがれ歴史的な町並み・古き良き日本の風景を残せたわけだ。
 
 
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元興寺の旧境内を中心とする49.3ヘクタールが奈良町都市景観形成地区に指定されているので、そこを奈良町と呼ぶのが適切だと思っている。
 
 
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元興寺 Website より拝借
 
しかし、ピンクで示された元興寺の旧寺地を見ると、「そうなんだ」 という感覚。
旧境内界隈だから、もちろん左側(西側)の脇戸町・陰陽町・鳴川町もモロ奈良町であるはずだ。
しかし何となく幼い頃や学生時代の感覚では、ならまち大通りより南側が奈良町と感覚だったが、それは個人的に勝手に思っていたことなのだろうか。
猿沢池のすぐ南のあたりなどは “奈良町” とは呼ばれていなかったような気もするのだが。
もちろん、今となってはまさに上記のピンクの地域を奈良町と呼ぶのに違和感はなくなった。
 
 
しかし実は本来 “奈良町” は実際にはもっと広い区域を差していたということがわかった。
 
 
そもそも奈良町とは江戸時代中期の 『奈良町絵図』 に描かれた区域を指し、現在の 「ならまち」 に 「きたまち」 等も加えたかなり広いエリアのことだったようだ。
 
 
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奈良市 Website より拝借
 
 
もう東大寺はおろか、かなり北側の般若寺、旧奈良監獄あたりまで記されている。
 
そうだったんだ…
 
 
たしかに、きたまちエリアにある奈良女子大学は元々、奈良町奉行所があったところなわけだし、そりゃそうなるのか…
 
 
まぁ、とはいえ、それは歴史的なことの話で、実際には国道369号 (近鉄奈良駅から東大寺・春日大社に続く登大路) よりも南の区域を指す。
猿沢池より南の町家が残る区域、と考えていて間違いはないだろう。
 
 
さて、そんな奈良町の中でもディープな界隈へ。
 
 
Naramachi_map2  
 
元興寺の旧寺地マップをもう一度見てもらうと、ピンクの区域の右側やや下あたりに 片原町 から 十輪院畑町 に抜けるクイクイッと折れ曲がった路地がある。
 
北側(上)から下がってまず最初に突き当たるのが興善寺
 
 
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このお寺さんの興味深い話は以前にも書いたので割愛。
 
 
そこを左にクイッと曲がると…
 
 
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細い路地に入る。
 
 
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左に 「チャポロ」、突き当りはお蕎麦屋さんの「」。
 
かつて月刊文藝春秋が連載していた 「最後の晩餐」 という記事で 「もし明日地球が滅びるとしたら、今晩あなたは何を食べたいですか」 とユーミン(松任谷由実)に尋ねたところ、「玄の蕎麦」 と答えたということなどもあり、また海老蔵なども贔屓にしているということで知る人ぞ知る蕎麦の名店。
でも 「玄」 はまた今度ということで…
そしてチャポロも後ほど、ということで…
 
 
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そのカギ状の角をもうひとつクイッと曲がると、十輪院の横のほっそ~~い通りに入る。
 
 
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その通り沿いにあるのが、Curry&Cafe 香炉里 (こるり)
 
明るく綺麗で、何か上品だけどアットホームなお家に招いてもらって食事する感覚のお店。
 
 
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今日は酒粕のポークカレーを。
美味!
 
 
ちょうど今月6月は にゃらまち猫祭り ということで、店内には素敵な猫の版画がたくさん展示販売されてたり…
 
 
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こういったグッズも販売されてたり、あちらこちらに猫グッズが飾られたりしている。
 
にゃらまち猫祭りは “猫” をテーマにした奈良町のアートイベントで、もう今年で15回目。
昔から地域猫も多く、町の人に愛され共存してきたことでこういう企画が続けられているのだ。
今年は参加店舗も50店。
 
 
香炉里は音楽も愛されているお店で、店内の片隅にはギターなどの楽器も。
大阪や奈良で演奏活動もされている。
 
6/29 ブルーノートならまち7/13 大安寺 のフライヤーを置かせていただきました。
ありがとうございます。
 
 
そして、満腹になったところで踵を返し、先ほどのチャポロへ。
 
 
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かなり久々。
 
“おうち雑貨カフェ” と名付けてられる通り、古民家でもあるお家を改装してお店にされた素敵な空間。
 
 
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アップライトピアノもある。
 
香炉里さんとはまた違う感覚で、お家にお邪魔しているような気分。
懐かしさのようなものも感じられて、妙に落ち着くのだ。
まさに奈良町を肌身で感じられるような…
 
 
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庭からの光が気持ち良い窓際の席で珈琲フロートをいただく。
 
何だか贅沢な時間だな…
 
 
チャポロさんにも二種のフライヤーを置かせていただきました。
ありがとうございます。
 
 
そして、春鹿で有名な老舗の今西清兵衛商店にお立ち寄り。
 
 
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500円(税込)の春鹿オリジナルグラスを購入すると5種類のお酒を試飲できるという何とも嬉しいサービスがあるのだが…
 
まだ14時半…
まだ… まだダメだ…
 
 
というわけで、元興寺方面へ。
 
スティーブ・エトウさんおられるかな?? と、通り道にある太古堂を覗いてみたけれど…
そうか月曜はそもそもお休みか。
 
 
そして、冒頭にもこの奈良町界隈の件でお話しした元興寺
 
 
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久々にお参りしていこうか。
 
 
もう何年ぶりだ? 下手すりゃ… 15年ぶりくらいだろうか。
細かいところの記憶はあやふやになってる程度にはご無沙汰である。
 
 
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南都七大寺のひとつ。
「古都奈良の文化財」の一部として、世界遺産にも登録されている。
 
蘇我馬子が飛鳥に建立した日本最古の仏教寺院である飛鳥寺を平城京内に移し、元興寺となった。
それにより奈良町は栄え、また日本最古の遊郭を生むことになったのは以前にコチラに書いたので割愛。

 
奈良時代には東大寺、興福寺と並ぶ大寺院であったが中世以降次第に衰退、というのはひとつ前の投稿の大安寺と同様か。
ただこうして、奈良町の中心として地域の人に愛され、心の拠り所となっていることはこれまた同様に大きい。
 
 
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極楽堂 (国宝)
奈良時代の智光・礼光両法師の禅室として存在していた。
御本尊は曼荼羅
中も拝観できる。
 
そりゃ気持ち良くて寝ちゃうよね。
 
 
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極楽堂の奥に続くのは 禅室 (国宝)
 
 
そのちょうど間の屋根がとても有名。
一般的な本瓦と少し趣を異にし、丸瓦も平瓦も重なり合って葺かれている。
 
 
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日本最古の瓦
日本最古の寺を建てる時に作らせた飛鳥時代の古式瓦を奈良に移した際も運び移され、現在もこうして数千枚が使用されている。
 
う~~む、歴史の重さよ。
 
 
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そして、お寺のお堂のここがたまらなく好きなんだよな。
 
 
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ということで久々に自撮り。(ポッ…)
 
 
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そして、この法輪館と呼ばれる収蔵庫で目にできる仏像や様々な展示物がとんでもなく素晴らしい。
 
一階には、高さ約5.5メートルの五重小塔 (国宝) をはじめ、阿弥陀如来・弘法大師の木造坐像、聖徳太子・地蔵菩薩の木造立像あたりの重要文化財、弁財天や泰山府君、不動明王も… それはそれは見事なものだった。
またそれらを一望できる二階からの絶景に興奮。
三階にはまた様々な展示物があるのだが、納骨容器、蔵骨器(瓦質土器香炉)、弔いの物忌札(魔除け)、また木簡など出土した木製品の保存処理の解説(失敗例も含む)などが実に興味深かった。
 
 
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そしてこちらは小子坊 (極楽院旧庫裡)。
 
 
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現在は素敵な休憩所。
昭和24年(1949)には改築されて、しばらくは極楽院保育所となっていたそうな。
 
  
この小子坊と禅室の間にあるのは浮図田 (ふとでん) と呼ばれる場所。
 
 
Content
 
昭和63年(1988年)に境内を整備する一環で約2500基の石塔・石仏類を寺内および周辺地域から集めたもので、新たに田んぼの稲穂のように並べて整備されたもの。
 
 
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境内の西側・北側には本当にたくさんの石仏が敷き詰められている。
 
 
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中には顔だけが剥がされた石仏や
 
 
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頭がない方も多数。
 
 
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こちらはどちら様の頭かな…
 
 
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境内奥には大辨財天さま。
 
 
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その横の井戸の下に、まるで寝ているような餓鬼が… 妙にかわいい…
 
 
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北側も素敵。 絶景。
 
ということで、久々にお参りしようと少しだけ立ち寄るつもりだったのだが、思いのほか満喫してしまった。
ほとんどは記憶の通りだったが、収蔵庫の仏像や展示物の感動や興奮は、かつての記憶にはないものだった。
 
 
あと元興寺で、ある種とても有名なのは…
 
 
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元興寺 (がごぜ) かな。
 
Wikipedia より拝借。
 
元興寺と書いて “がごぜ” と読む。 
平安時代の 『日本霊異記』 や 『本朝文粋』 などの文献、鳥山石燕の 「画図百鬼夜行」 などの古典の妖怪画に登場。
 
その昔、元興寺の鐘楼に悪霊の変化である鬼が出るとうわさされて、都の人たちを随分と怖がらせたそうな。
尾張国から雷の申し子である大力の童子が入寺し、この鬼の毛髪をはぎとって退治したという説話が上記の 『日本霊異記』 にあるようだ。
一時期、元興寺は寺の名よりも鬼の代名詞として浸透していたらしい(笑)。
 
 
 
もちろん、水木センセの作品にも登場。
 
 
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ほほぅ……
 
 
 
そして、境内を背に東門を出ると、目の前には…
 
 
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夏が近づくと、ここの誘惑に全戦全敗になるんだよな…
 
 
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小川又兵衛商店
 
 
これまでも何度も紹介しているが、改めて。
 
創業は明治初年。
店舗は国登録有形文化財。
 
店内には商品搬入搬出用のトロッコが行き来する線路が約60メートル引かれていて、現在もトロッコ列車は活躍中とのこと。
 
そして魅力は何といっても、軒先でクラフトビール、奈良の地酒、ワイン、焼酎、いろいろなものをリーズナブルに飲めること。
 
 
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世界遺産の元興寺を眺めながらね。
夕方の奈良町の風情がたまらないのだ。
 
まぁ、まだ15時半だったんだけどね。
 
そして、フライヤーも置かせていただきました。
ありがとうございます。
 
 
今年の夏もお世話になるだろうなぁ……
 
 
そして、ブルーノート界隈を通り、餅飯殿センター街に入る手前で…
 
 
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なら酒専門店 「なら泉勇斎
 
 
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店内には立ち呑みカウンターがあり、奈良の28蔵 120種を試飲することができる。
だいたい 200〜250円くらい。
おつまみ類もいいものがある。
 
 
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試飲といっても充分楽しめる量でリーズナブル。
とても危険(笑)。
 
まずは奈良の御所市にある 千代酒造篠峯」。
 
これは美味い。
 
 
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そして 「風の森」 などでも人気の油長酒造 の 「鷹長菩提酛 (ぼだいもと)
 
甘み・旨味がとても深い。
これはまた独特でとても美味しい。
 
 
菩提酛” は初めて飲ませてもらったのだが、室町時代に奈良の菩提山 正暦寺において創醸された、いわゆる古式な醸造法。
正暦寺で仕込んだ酒母を用いて醸造したお酒である。
製造工程で「生米」を使用することを特徴としていて、山廃仕込みなど生もと系仕込みの元となった醸造方法らしい。
 
 
正暦寺は奈良市南東部の山間にあり、
“清酒” 発祥の地として有名。
 
もう随分前だが、その清酒にちなんだ催しで三味線演奏をさせてもらったことがある。
奈良市内とはいえ、人里離れた聖域に入っていく神秘性もあり、渓流や木々が美しく、何か天竺感がある素敵な場所なので、その後も何度かお参りに訪れている。
 
 
現存のメインの建造物は福寿院という客殿なのだが、“数寄屋風客殿建築” で、孔雀明王像が祀られていて、大自然を見渡す借景庭園がある……
 
ってめっちゃ魅力的でしょ?
 
 
久々に行きたくなってきたなぁ…
 
また機会があればこちらでも紹介させてもらいます。
 
 
というわけで、勇斎さんで奈良の地酒も堪能し色々教えていただき
フライヤーも置かせてもらいました。
ありがとうございます。
 
 
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そして、餅飯殿の ならどっとFMさんにもフライヤーを。
いつもありがとうございます。
 
 
 
というわけで、近隣の町回りのはずなんだけど、いつも以上に長くなってるような……
 
まぁ、気のせいか。
 
 
そんな感じで、数歩ごとに何かしら楽しいものに出会えてしまう、奈良町
 
6月29日(土) は是非この町でお会いできることを願っております。
 
 

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風情ある奈良町にある本当に素晴らしい音空間、ブルーノート
他にはない、地元奈良ならではの特別なワンマン。

■6月29日(土) 奈良 ブルーノートならまち
 デ・オッシ ワンマン

 開場15:00 開演16:00
 予約2000円(Drink等別)

 

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※席数に限りがあります。
是非どうぞ早めのご予約をお願いします。

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■7月13日(土) 奈良 大安寺(獅子吼殿)
 野上朝生×デ・オッシ 『奈良を唄う』
 開場16:30 開演17:00
 終演19:30予定
 予約 2500円
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 『定点観測』
 開場19:00 開演20:00
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 出演:デ・オッシ,神一重

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■6月15日(土) 岡山 MO:GLA
 「オカシナまやかしノ夜」
 ツーマンSpecial vol.3
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お待ちしております。
 

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