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2020年1月19日 (日)

指パッチンは二度としない

指パッチン」 と呼ばれるものがある。
昭和な方ならポール牧を思い出されるだろうか。
一応、「フィンガー・スナップ」 という正式名称があるのだが、まぁ 「指パッチン」 でいいだろう。
 
軽快にリズムを刻むのには非常に有効である。
4ビートのノリを出したい時などはうってつけだ。
しかし、自分はあまり良い音を鳴らせずにいた。
とはいえ、指パッチンが得意でなくともさほど人生に支障をきたすことはないので、特にこれまで困ったこともないし、必死で練習することもなかった。
 
それが、だ。
 
 
あれは昨年の9月。
三度のツーマンと初のワンマンを経て、岡山のMO:GLAでOKAYAMA通天閣と楽しいツーマンをさせてもらった時のことだ。
 
 
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MO:GLA店長であり、OKAYAMA通天閣のギタリストであるヨシキ氏が曲中に指パッチンを始めたのだが、これがまた気持ち良く響かせてくるのだ。
もはやひとつのパーカッション、そう、楽器といって差し支えないレベルの存在感で鳴らしている。
 
終演後の打ち上げの、更にそのあとで、指パッチンの極意を教えてもらった。
というよりも、そもそも自分の中で鳴らし方に勘違いがあったことを気付かせてもらったのだ。
 
するとどうだろう。
 
鳴る、鳴る。
結構、鳴る。
 
ヨシキ氏にはまだまだ敵わないが、これまでの自分では出し得なかった音がするではないか。
 
 
これからはカウントをとるときはもう必ず指パッチンだ。
曲の途中でおもむろに刻みだすのも悪くない。
何かを思いついた時もきっと鳴らすだろう。
誰かを呼ぶときに鳴らすのは少々失礼なので気を付けないといけない。
 
 
そんな長い時間ではないが、左手だけで結構練習をしたんだと思う。
コツを掴んできたので、大きい音を鳴らせるように頑張ってみた。
 
おぉ… 鳴るではないか!
我、体得したり…!
 
 
 
翌日、目が覚めると左手に違和感があった。
 
ん… あれ?
長らく演奏活動をしてるが、こんな手の疲労感は初めてだな。
いや、疲労感ってゆーか、痛い…
 
 
ハッ… そういえば……
 
 
そう、前夜の指パッチンのしすぎのせいか、左手に結構な痛みがあった。
とはいえ、まぁ、数日もすれば治るだろう、と気楽に考えていたのだが…
 
 
一週間たっても治らず…
一ヶ月たっても治らず…
 
 
何もしていない状態では特に痛みを伴うわけではないのだが、例えばいつも通りに買い物袋を指に引っ掛けて持ってしまった瞬間などは、イテテテテ…! となって落としそうになる。
その他にもタオルなどを絞る際もだし、特に参ったのは三味線の糸巻きを握って回すときに一番痛みを伴うことだ。
 
チューニングをしようと何気なく糸巻きを回す。
実に日常的な行為なので頭で考える前に糸巻きを握って回してしまうわけだ。
そのたびに、イテテテテ…! となる。
 
 
三ヶ月が経っても一向にマシにならなかった。
痛みだけではなく、いやむしろ、そのせいでライブ後などの左手の疲労感が尋常ではないものになってしまった。
これまでそんなことはなかったのだ。
 
さすがにこれはマズイ、と専門医に診てもらうことにした。
リハビリテーション関係の仕事をしている知り合いに、靭帯が伸びてしまっているかもしれないと言われたので、スポーツや交通事故による故障のリハビリを専門的にやっているところを探したところ、比較的近所にそういう整骨院があることを知り、そちらに通うことにしてみた。
保険の範囲内だとかなりの頻度で通わなければならず、それはなかなか難しいので保険外でそれなりの費用をかけながら定期的に通うことになった。
本来はしばらくの間、使わずに休ませる方が良いのだが、自分の生業上そういうわけにもいかない。
  
いやはや、まさか指パッチンをたった一夜、懸命に練習しただけでこんなことになるなんて…
 
 
そして週一で通うこと一ヶ月。
費用はかさむが仕方ない、とりあえず一ヶ月様子をみてみようと思った。
 
 
院長の診察は初回のみ。
その後は施術師の方が全身からほぐしてくれて、電気治療などを施してくれる。
丁寧にやってはいただけてはいるのだが、どうにも治して欲しい患部の改善への期待ができない施術のように思える。
三度目くらいで改めてどこをどうしたら痛いかなどということを説明してみたが、あまり要領を得ない反応に感じてしまった。
実際に痛みは一向にマシになる様子もなく、通うのを止めようと思ったのがちょうど一ヶ月たったクリスマス前のことだった。
診てもらうところを変えるか、と思いながらなかなか時間をとれず、湿布などで何とか自力でケアする日が続いた。
 
 
四ヶ月近くも経つのに一向に治る気配がないのには、さすがに不安が募ってくる。
日常生活を送る上では決して我慢できない痛みではないのだが、演奏家としてはおおいに問題である。
この痛みや疲労が蓄積していけばもっと大きな支障をきたすであろうことも想像できる。
どうしたものか… と思っているうちに大晦日を迎え、あれよあれよ言う間に正月も過ぎてしまっていた。
 
 
 
先日の umeda TRAD での フィエスタ・デ・縁日[壱] を迎えるにあたり、年始よりギターはARIA AC-70Fばかり弾いていた。
広いTRADではマイク録りよりもエレガットの方がバランスをとりやすい、また立って弾く方があのステージに合うだろうから、とストラップをつけたそのギターを久々に出してきたわけだ。
ただ、いつもの ドミンゴ・エステソ や コンデ・エルマノス に比べるとそのクオリティ相応にプレイヤビリティも低く、手にかかるストレスなどは幾らか大きくなってしまう。
良いギターはある意味、勝手に “鳴ってくれる” のだが、そうでない場合はそれなりに懸命に “鳴らさなくてはならない” のだ。
ARIAのこのギターは筋力や持久力を要すところはある。
それはそれで個性として楽しめるところもあり、またパフォーマンスとの兼ね合いもあり選択しているわけだ。
 
 
ARIAを再び使い始めて二週間。
主催イベントである フィエスタ・デ・縁日[壱] を明日にも迎えようかという頃に、ふと気付いた。
 
あれ?
痛みがマシになっている…
疲労感はまだ幾らか気にはなるが、それでも随分と不安がなくなっている。
 
むしろ、手への負担はこれまで以上にかかっているはずだ。
少なくとも体感的にはそうなのだ。
 
 
しかし、これは…
 
図らずも、手の、指の、筋力を鍛えざるを得ない状況が、患部の痛みをカバーすることに繋がったのかもしれない。
そういえば、リハビリ関係の知り合いに当初、靭帯が伸びてしまっている場合は周りの筋肉を鍛えるしかないかもしれない、などということも聞いていた。
 
 
そして、イベントを無事に終えて数日。
まだ完全に安心できるというわけだはないが、それでも長らく悩まされていた痛みをあまり感じなくなってきて、精神的にも随分と楽になっている。
 
 
もう二度と使うことはないだろう、くらいに思っていたARIAのギターを急に使おうなんて思い立ったのも、今考えてみれば不思議なものだが
このタイミングで umeda TRAD というステージに久々に立つこと、それにより使用ギターを再考する必要に迫られることになったのは、何か見えないものに導かれている気さえしてしまう。
 
 
というわけで、四ヶ月もの間、痛みと不安に苛まれていたわけだが、とにかく随分とマシになった。
まだしばらくはケアしていかなければいけないのだが、先の見えない不安から解き放たれたことは何より。
 
 
そして、心に誓った。
 
 
指パッチンなど二度としない!
 
 
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次回のライブは 久々のファンダンゴ!
そして、堺に移転して初のファンダンゴ!
祝日なので開演から終演まで早い時間のイベントとなります。
デ・オッシはラストに登場。
 
■2月11日(火祝) 堺 ファンダンゴ
 開場15:30 開演16:00
 終演19:00予定
 前売2300円 当日2800円
【出演】
デ・オッシ
NDARICCA×NA.×アタカ
ひなたになった
一畳さえこ(rokujohitoma)
 
 ご予約はコチラまで
 
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■4月15日(水) umeda TRAD

 デ・オッシ presents
  フィエスタ・デ・縁日 [弐]

 開場18:00 開演19:00
 前売2500円 当日3000円(Drink別)

【ライブ】
デ・オッシ
高橋てつや
吉本篤央

【Food】
タルタルクラブ(京都)

【Shop】
idea of a joke(奈良)
キミトラ土器(大阪)
and more...
 
 ご予約はコチラにて
 
 

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