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2020年2月14日 (金)

多武峰で歴史の悪戯に想いを馳せる -前編-

少し落ち着いたら散策したい、と思っていた場所が幾つかある。
どこも奈良県下か県境あたりなので、しっかりと予定を立てなければならないわけでもない。
そうなると、逆になかなか行かなくなってしまうものだ。
 
遠いわけでもないが、近隣というわけでもなく、アクセスも良い場所ではないから尚更である。
特に予定のない日に行くことにしよう、と何となくは思っていたのだが…
 
今朝、目が覚めた時点で思い立って行くことに決めた。
 
今回は車ではなく、公共交通機関を利用して、できる限り歩いて廻りたい。
目的地へは、電車で最寄り駅まで行き、そこからは一時間に一本程度のバスに乗ることになる。
布団の中で電車とバスの時刻表を眺めながら、ザッと計画を立ててみるに…
 
今から30分後の電車に乗らないとなかなかスムーズに進めないことがわかった。
若干の寝不足感と昨夜のワインの余韻を残しつつ、手早く準備をし、果物をひとつ口に入れただけで出発することにした。
 
 
無事に辿り着いたのは桜井駅
桜井市は奈良市から20kmほど南下したところにある。
西隣には飛鳥、南へ進めばもう吉野の入り口。
三世紀から始まる古墳時代、この国の中央集権組織 “ヤマト王権” の中心的な地域であったとされている。
日本最古の神社のひとつ、三輪山の大神神社や長谷寺、また箸墓古墳などの古墳群を有する。
 
 
今回の目的地はこの桜井駅からもう南側に見えている 多武峰
 
奈良の人間か、歴史に詳しい方でないとなかなか読めない地名かとは思うが、これで “とうのみね” と読む。
その名の通り、山の名称であり、そしてその一帯にあった寺院のことを指す。
随分と以前に二度ほど、車で訪れたことはあるのだが、今回はいろいろとわけあって、ゆっくりとバスと徒歩で散策したかったのだ。
 
 
一時間に一本あるかないかのバスにも間に合い、桜井駅前で出発を待つ。
最初の目的地は10~15分走った先にある、聖林寺 (しょうりんじ)
 
 
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聖林寺バス停に到着。
 
天気予報では晴れる、とあったのだが、午前中はまだあいにくの雨。
 
 
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とは言っても小雨が降ったりやんだりしている状態で、霊験あらたかな山を望むにはむしろふさわしい風情である。
聖林寺に向かう田舎道は心に沁み入る。
まさに原風景といった趣き。
 
 
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ゆるやかな勾配の先に見えてきたのは、苔が生した見事な石垣。 
ここが、聖林寺である。
 
多武峰の先へは行ったことがあるけれど、こちらのお寺をお参りするのは実は初めて。
白洲正子の随筆記で読んで、なぜこれまで通過してしまっていたんだろう、と悔み参拝するのをずっと楽しみにしていたのだ。
それ以外にも県外の方からも何度か勧められたことがある。
 
皆さんが絶賛するのは、こちらに所蔵されている国宝の十一面観音立像
 
あらゆる十一面観音をこよなく愛す白洲正子もたしかNo.1だったと書いていたような気がする。
いつか行こう、いつか行こうと思っていたのだが、今回とうとう決意をさせたのは、しばらくここで見れなくなるという情報を得たからである。
実は、オリンピックにあわせ、6月16日から8月31日までの間、東京国立博物館での特別展 「聖林寺十一面観音菩薩像と三輪山信仰」 ―日本人の自然観と造形美―(仮称) にて展示されることになっているのだ。
それまでに聖林寺に来なさい、とお尻を叩いていただいたような気がしている。
 
 
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山門に至る石段を登ると
 
 
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そこからは右手に三輪山、また卑弥呼の墓といわれる箸墓古墳などを望める。
 
 
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境内は決して広くはないが、だからこそたまらなく惹かれる山寺の風情がある。
 
 
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どうやら南天が有名なようで、そこら中で境内を彩っていた。
 
 
正子絶賛の十一面観音さんを楽しみにきたのだが、まず本堂にいらっしゃる御本尊の子安延命地蔵菩薩さんに心奪われてしまった。
 
 
堂内はもちろん写真撮影禁止なのだが、子安延命地蔵菩薩さんが…
 
子安延命地蔵菩薩さんが…
 
あまりにも魅力的過ぎて…
 
 
こちらだけはご紹介したい!
  
 
 
聖林寺Website から拝借。
 
 
P1
 
 
なんと魅力的な…!
 
結構な大きさで、なかなかのインパクト。
そしてこのかわいさ…
「まんが日本昔ばなし」 だったら絶対に動き出しておむすびとかお食べになる流れやん…
是非、生でご覧になっていただきたい。
 
 
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そして、本堂脇の登廊をあがったところにある観音堂(収蔵庫)にて
とうとう、十一面観音様にお会いすることができた。
 
 
この、国宝である十一面観音立像。
 
 
実は、この仏様は一時期、捨てられていたというのだから驚きだ。
 
 
元々はこちらの聖林寺にあったのではなく、三輪山の大神神社の中にあった大御輪寺に祀られていたらしい。(現在の若宮神社)
明治初年の神仏分離令による廃仏毀釈の時期に、その大御輪寺は廃され、この十一面観音立像も捨てられたというのだ。
 
詳細は諸説あって、明らかではないのだが
和辻哲郎は 『古寺巡礼』 にて、草むらに打ち捨てられていたのを通りかかった聖林寺の住職が発見して寺に安置した、という伝承を記している。
実際には聖林寺の住職が大御輪寺から譲り受け、大八車で運んだらしいのだが…
白洲正子は観音さまの前で年老いたご住職に聞いた話として、大御輪寺が廃寺となった際に縁の下に捨て置かれていたものを、かの有名なフェノロサが聖林寺の住職に頼んで祀ってもらったのだ、と 『名人は危うきに遊ぶ』 の中で書いている。
 
何にしても、哲学者・美術研究家のアーネスト・フェノロサがこの十一面観音立像を激賞したことで人々に知られることになったのは間違いないようである。
 
 
素晴らしく魅力的な仏像をいくつも目の当たりにできて感激したところで…
次のバスが来るまでにまだ一時間ほど待たなくてはならなかった。
 
 
実はこの多武峰界隈で目的地があと二つある。
 
 
ひとつはすぐ近くなのであたりを散策しながら向かうことに。
 
 
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少しだけ桜井駅の方へ戻ることになるが、本来の参道やへんろ道の入り口へ進むことになるので、それもまた一興。
 
 
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ちょっとした脇道や、用水路に架かる小さな石橋、そこかしこで祀られているお地蔵さん…
道中、あますところなく魅力があふれていてたまらない。
 
 
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向こうに見える森はメスリ山古墳
 
 
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談山神社 大鳥居
 
 
その1km弱くらいの道中の真ん中くらいにあるのが
 
 
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西内酒造さん
 
明治の初めに創業し150年の歴史がある酒蔵。
談山」 というお酒などで知られ、中でも 「談山 貴醸酒」 は英国ロンドンで開催された世界的なワインコンテストにて古酒の部で金メダルを受賞している。
 
 
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実は知人が西内酒造さんとご縁があって、こちらの様々なお酒をよくいただいていたのだ。
そして、奈良漬がこれまた絶品。
西内酒造さんの奈良漬は、ちょっと他とはちがう美味しさがある。
 
 
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新しい純米生原酒の 「談山」 と、搾りたて無濾過生原酒の 「談山」 と、以前にも飲んだことがある 「大名庄屋酒 にごり酒」 を試飲させていただくことに。
これが、今回どうしても車では来たくなかった理由のひとつ(笑)。
 
「大名庄屋酒 にごり酒」 は少し発砲していて、まさに酵母が生きていることを口の中で実感できる濃厚な美味さ。 やはり美味い!
しかし、少し甘みがあってスッキリ飲みやすい 「談山」 も捨てがたい…
 
ということで、二本買うことにした。
そしてもちろん、奈良漬も。
 
 
さて、まだこれから多武峰の更に奥深いところまで行こうとしているのだが…
まるで何かの修行のように、リュックに二本の酒瓶を背負って向かうこととなった。
 
 
バスの到着時間はまだ少し先だ。
朝からほとんど何も食べていないので、さすがにそろそろ腹が減ってきたのだが…
あいにく、この辺りには食堂らしきものが見当たらない。
 
さて、どうするか、というところだが
この散策記も随分と長くなってきているので、今回はここで一度区切らせてもらおうと思う。
 
 
また続きは明日にでも。
 
 
是非、多武峰の上の方までご同道願います。
 
 

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20204
 
■4月2日(木) 大阪 雲州堂
 IORhythm 〜イオリズム〜
 デ・オッシ × Gato Libre ツーマン
 開場18:30 開演19:30
 入場無料・投げ銭制(要1オーダー)
 
雲州堂 Website
 
久々の雲州堂での投げ銭イベント。
世界各地で活躍されている変則的編成で無国籍的なオリジナル曲バンド、ガトーリブレ。
NYでのご縁から繋がった大御所の皆さんとご一緒させてもらいます。
是非どうぞお誘いあわせの上、お気軽にお越しください。
ご予定どうぞよろしくお願いします。

 
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Fiesta2
 
■4月15日(水) umeda TRAD

 デ・オッシ presents
  フィエスタ・デ・縁日 [弐]

 開場18:00 開演19:00
 前売2500円 当日3000円(Drink別)

【ライブ】
デ・オッシ
高橋てつや
吉本篤央

【Food】
タルタルクラブ

【Shop】
idea of a joke(カチューシャ,植物ハットなど)
キミトラ土器(フィギュア)
上善如水(琥珀糖)
 
 ご予約はコチラにて
 
心に響く歌と演奏を繰り広げる 【ステージライブ】 には、超オススメなゲストを迎えます。
美味しくて幸せになる 【タルタルクラブ】 のお料理は新たなメニューも!
楽しくて賑やかでおもしろい 【ショップブース】 には、パワーアップした idea of a joke と キミトラ土器 に、素敵な琥珀糖の “上善如水” さんも加わり更に賑やか!
 
開演から終演まで
● 余すところなく楽しんでもらえるような一夜 ●
にしたいと思っています!

 

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