アルバム『開闢の日』楽曲解説 其の参
結局何だかんだと語ってしまって、ここまで二回に渡り綴ってきた New Album 『開闢の日』 の楽曲解説。
残り三曲なので、確実に今回で最後です。
お付き合いくださった皆さん、ありがとう。
そして、せっかくなので最後までよろしくお願いします。
このあたりは実は結構曲順は悩んだところなのよね。
もちろん、ここに至るまでのものと照らし合わせつつ。
この残り三曲 「紅斜陽」「すべてをゆるすひ」「空の果ての終着駅」 はどこに持ってきてもいい作用をもたらしてくれる曲。
冒頭付近にあっても良いし、何なら一曲目もあり得る。
アルバムの意味合い的にも問題ない。
そんな中で、ここまで聴いてくださった皆さん、どうでしょう?
ここでこの曲たちが登場し、このアルバムを締める、というこの流れは。
自分の中で、これがとてもハマったんです。
この景色を見てもらうためにこのアルバムを制作したんだな、というような (完全に後付けですが) そう思える曲順となりました。
そんなラスト三曲をば。
10. 紅斜陽
この曲は今作一曲目の 「蓮の夢」 や、この次の曲と同じく、2022年10月16日 奈良 EVANS CASTLE HALL での デ・オッシ ワンマン『奈良にくぎづけ』 Epic day 2022 で初めて歌ったような気がします。
でも実はほぼ現在の形通りの原曲はもう2017年とか2018年くらいには出来上がっていました。
ポップでキャッチー、でも何か心に引っ掛かる旋律で、個人的にはできた瞬間からわりとお気に入りだったけど、デ・オッシでやるにはどうかな? ちょっとポップすぎるかな… などと勝手に検閲にかけて保留にしていたもの。
保留しつつもずっと気になっていた曲で、4,5年熟成した上で、ふと提案してみようかとそこでようやく歌詞もつけて俎上にのせたのが2022年のことでした。
きっと、そのタイミングを待ってたんだろうね、この曲は。
こういった言葉が意味を持つ時機、デ・オッシでやるべき好機。
自分たちの中では、とてもシンプルに接することができ、奇を衒う必要も一切なく、でも奏でたい特別なフレーズがあり、いつでも気持ち良く歌い奏でられて、自分たちを鼓舞させることもできる曲です。
それが聴いてくれる皆さんのものでもあれば嬉しいな、と思います。
レコーディングにおいてはとにかくライブ感を大切にしたくて、後半はもはや気持ちはライブそのものでした(笑)。
11. すべてをゆるすひ
この曲は2022年、何を思ったか元日から、とるこが毎日一曲ショートソングを作るという試みを始めた企画の中のひとつ。
結局晩夏あたりまで続けて、230曲だったかそれくらいまで本当に毎日継続し、しかもどれも価値あるものを生み出していたのは、ふと思い出しても驚愕するところではある。
それもあって昨年、デ・オッシで必ず毎月新曲を発表する、というのもいけるなと思ったのかもしれない。
その膨大なリストの中から10曲ほどはもう 「調査放談」 ではおなじみのBGMになっていて、個人的にも大好きな曲ばかり。
そして、この 「すべてをゆるすひ」 は、図らずもその一日一曲の11曲目。
つまり、1月11日に生まれ、聞かせてもらった曲だった。(さきほど調べた。)
そのときも送られてきて聞いた瞬間、この曲は絶対いずれ何かの形で世に出すことにはなるだろうな、と思えた秀作だった。
で、前述のように2022年のワンマン『奈良にくぎづけ』 Epic day 2022に向けて、歌詞をつけてアレンジしたわけだ。
元々はインスト曲ではあるけれど、とるこさんがつけたタイトルがあるので、それを守りつつそのフレーズに導かれるままに歌詞を書いた。
それから長らくステージで歌ってきているけれど、最近でもまた何だか自分自身でこの歌詞が沁みてきている。
自分がゼロから紡ぎ出した物語ではないからだろうね。
メロディとタイトルに導き出された言葉たちが、さらに年齢を重ねた自分自身にとても響いている。
すごいタイトル、フレーズだな、と思う。
そう思える日が一日でも多くある方が良い。
そうありたいと思う。
そうあれることはきっと自分を幸福にさせるし、みんなと喜びを分かち合えるはず。
もしかしたら、今より少しでも若いうちは本当の意味でわからなかったかもしれないな。
この曲も、もしできることなら、強いることなく “分かち合えたらいいな” と思える曲です。
12. 空の果ての終着駅
この曲が今アルバムのラスト。
一曲目でも良かったし、このようにラストでも良かった。
でもすべては歌詞に導かれたね。
開闢の日から、終着地点へ。
でもそれが新たな始まり。
終わることなどない永遠の旅。
この曲が生まれたのは昨年2023年の6月。
毎月新曲を発表した中の6曲目。
8月に予定していた 京都ライト商會 での ライブ&演劇 「銀河鉄道の夕暮れ」 を想定して作った曲のひとつ。
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」 はこれまでも幾度も自分たちの音楽や制作物に大きな影響を与えてきたけれど、ここまで直接的にインスパイアされることを前提に生み出したのは初めてくらいだったかも。
なので、これもまた導かれるままに勝手に生まれてくる旋律や言葉にただただ身を委ねていたような、そんな記憶です。
故に実に自作の感覚がなく、いつまでも客観的に大好きで、個人的に自分はこの曲のファンです。
たとえ自分以外の誰一人この曲を好きでいなくても、誰一人評価しなくても全く問題がないくらい、大好きな曲です。
もちろんそれじゃ寂しいけどね(笑)
自分がいつも歌っているときに見ている景色を皆さんにもご覧いただきたい、漂っている世界に皆さんを誘いたい、そう思っています。
どうか、このアルバムを聴いてもらっているときに、そんな時間・時空を共にさせてもらえますように。
というわけで、奈良の社寺から空の果てまでお連れしてしまいました。
デ・オッシ New Album 『開闢の日』 いかがでしたでしょうか?
こんな時代だからこそ、手に取ってゆったり聴いていただきたいアルバムです。
なかなか時間を割いて、ブックレットの歌詞や挿絵などを眺めながら音楽を聴くという機会は減っているのではないかと思います。
でも、それはとても豊かなひとときだったんだなと個人的にも改めて感じられてます。
もし許されるなら、可能なら、そんなひとときの一役を担わせてもらえたらと願うばかりです。
そんな New Album 「開闢の日」
公式Online Shop「ドドイツ」
楽天
Amazon.co.jp
または、各ライブ会場にてお求めいただけます。
豪華16pブックレット付、紙ジャケット仕様。 限定枚数。
ぜひ、お手にとって、ゆっくりじっくり味わってください。
「開闢の日」 リリースツアー
■5月16日(木) 千葉 柏 Studio WUU
≫ 詳細・予約 ≪
■5月17日(金) 東京 STAX FRED
≫ 詳細・予約 ≪
■5月18日(土) 静岡 UHU
丸山研二郎&原口朋丈 × デ・オッシ
≫ 詳細・予約 ≪
■5月20日(月) 名古屋 BAR Strega
デ・オッシ × ときにきく
≫ 詳細・予約 ≪
■6月1日(土) 奈良 a_s art_scene(松前旅館)
デ・オッシ 生音ワンマン
≫ 詳細・予約 ≪
■6月15日(土) 滋賀 bochi bochi
ハナツムギ × デ・オッシ
『三弦と白黒のからくり唄紡ぎ』vol.5
≫ 詳細・予約 ≪
■6月16日(日) 大阪 京橋 BAR HEAVENSKITCHEN BOOST
≫ 詳細・予約 ≪
■6月28日(金) 新松戸 FIREBIRD
詳細未定
■6月29日(土) 東京 泪橋ホール
≫ 詳細・予約 ≪
New Album 『開闢の日』 Trailer
« アルバム『開闢の日』楽曲解説 其の弐 | トップページ | 実は映画監督をしてました。 »
コメント